下半身のケガ

足首の内側側副靭帯損傷(三角靱帯損傷)について

足関節担当の三浦(@RyoheiMiura)です。

今まで足首の靱帯損傷のお話を書いてきましたが、ほとんどは外くるぶしに付着している外側側副靱帯損傷についてでした。

しかし、足首の靭帯損傷はたくさん存在します。スポーツ現場では外側以外の靱帯損傷にも遭遇することは少なくありません。

その中でも、今回は内側側副靭帯についてお話しします。

内側側副靭帯(三角靭帯)とは?


内側側副靱帯は三角靱帯と呼ばれたりします。
内くるぶしから下方に走行している靱帯であり、5つの靱帯から構成されています(図1)。

図1 三角靱帯の解剖図(筆者作図)

 

外側の靱帯は3つの靱帯で構成されているのに対し、5つの靱帯で浅層と深層で構成される三角靱帯は構造的に強靭であると言われています。言い換えると、三角靱帯の損傷は外側と比べて大きい外力によって発生し、その分重症度も高くなる可能性があります。

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三角靱帯損傷が多いスポーツ


三角靱帯損傷の競技別発生率をまとめた研究によると(図2・文献1)、ラグビーやサッカーといったコンタクトスポーツに多い傾向でした。

 

図2 競技別における三角靱帯損傷の発生率(文献1より引用・作図)

 

別の研究では、女子の体操が最も発生率が高く、次いで男子サッカー、女子サッカーという結果も出ているようです(文献2)。

三角靱帯損傷はつま先を外側に向ける方向へ外力が強制されることで生じます。サッカーでよくあるのはボールを蹴る時に力負けして外側に外力が強く生じた時ですね。

三角靱帯損傷に合併しやすい怪我


三角靱帯損傷の特徴として、他の靱帯損傷だけでなく骨折を合併する場合があることです。骨折のパターンもいくつか報告されており、詳細は日本整形外科学会のページを参照ください。(https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/fracture_dislocation_of_ankle.html

つまり、つま先を外側に向ける外力が強制され内くるぶし周囲の痛みが出た場合、骨折や他の靱帯損傷を合併していないか疑う必要があります。

外くるぶし周囲の痛みもある場合はレントゲンやMRIなどの検査をお勧めします

三角靱帯損傷に対する治療とスポーツ復帰


外側側副靱帯損傷と比較すると、三角靱帯損傷後に対する有効な治療法やスポーツ復帰に関してはあまり研究されていません。これは研究数が圧倒的に少ないのが原因となっています。

ですが、基本的に外側の靱帯損傷と方針は変わりません。適度に保護しながら少しずつ負荷をかけていく必要があります。

おわりに

今回は内側側副靱帯(三角靱帯)損傷についてまとめました。
足首の捻挫といっても様々なものがあり、それぞれ症状やリスクが異なります。

1つ1つ知ることが、予防への第一歩です。そのための情報を今後も発信していければと思います。

 

執筆者:Ryohei Miura(@RyoheiMiura

 

引用文献

  1. Waterman BR, Belmont PJ Jr, Cameron KL, Svoboda SJ, Alitz CJ, Owens BD.Risk factors for syndesmotic and medial ankle sprain: role of sex, sport, and level of competition. Am J Sports Med. 2011 May;39(5):992-8. doi: 10.1177/0363546510391462. Epub 2011 Feb 2.
  2. Thomas J. Kopec,Elizabeth E. Hibberd,Karen G. Roos,Aristarque Djoko,Thomas P. Dompier,Zachary Y. Kerr. The Epidemiology of Deltoid Ligament Sprains in 25 National Collegiate Athletic Association Sports, 2009–2010 Through 2014–2015 Academic Years. J Athl Train. 2017 Apr; 52(4): 350–359.doi: 10.4085/1062.6050-52.2.01