下半身のケガ

足首の靭帯損傷(捻挫)を評価するパフォーマンステスト

足関節担当の三浦(@RyoheiMiura)です。

足首の捻挫は靭帯損傷であり、不安定性や痛み、動きの制限をもたらします。
しかし、それを一般の方や選手自身が評価する事は難しいですよね。

今回は、一般の方でも使いやすいパフォーマンステストの評価について、最新の論文から紹介します。

パフォーマンステストとは?


ある決められた条件で運動し、そのタイムや動作を評価する方法です。主に筋力や敏捷性を評価しています。これに対してバランストレーニングは感覚機能を主に評価します。

パフォーマンステストは細かい指標や専門的な知識が必要ないため、基準さえ知っておけば簡単に足首の状態を評価することができます。

今回紹介する論文は、足首の靭帯損傷後に機能低下を生じた人と健常な人を区別するためのパフォーマンステストをまとめています。

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片脚パフォーマンス中の負荷がかかる方向がポイント!

 
ここから論文の結果をまとめていきます(方法論の詳細は文献1-3を引用)。

靭帯損傷後の機能低下を有する人と健常な人を区別するには、サイドホップテストや8の字ホップテストなどのタイムを測定するホップテストが効果的

サイドホップテストは30cm間隔の線を踏まないように片脚で横方向に10往復跳ぶのにかかったタイムを、8の字ホップテストは5m間隔に置いたコーンを8の字を描くように片足で跳び2往復するのにかかったタイムを計測します(図1)。

図1 Side hop test(左)と8の字ホップテスト(右)

 

この2つのテストの特徴は、前後方向よりも横方向へのストレスが生じることです。靭帯損傷後に低下している筋機能や関節に直接的なストレスをかけることができると考えられます。

靭帯損傷後の機能低下を有する人と健常な人を区別するには、複数のテストを組み合わせると効果的

それぞれ異なる要素を有するテストを使用することも1つの手段と言えそうです。つまり、靭帯損傷後の症状は幅広く生じるため、1つの側面だけでは区別できない可能性があります。図2のようなテストが代表的です。

図2 左から順にハードルテスト、6mクロスオーバーホップテスト、
スクエアホップテスト、アップダウンホップテスト

 

それぞれ以下のタイムを計測

ハードルテスト・・・図の矢印の順に片脚で跳ぶ+ハードル超え

6mクロスオーバーホップテスト・・・15cm幅の6m線を片脚で跨ぐように跳ぶ

スクエアホップテスト・・・矢印の順に跳ぶ

アップダウンホップテスト・・・20cm段を片脚で跳び降りを10往復繰り返す

片脚幅跳びは靭帯損傷後の症状を有する人と健常な人を区別できない

図3 片脚幅跳び(片脚で前方に跳び、つま先[踵]からつま先[踵]までの距離を計測)

 

このテストは今までのテストと異なりスピードよりもパワー(筋力)を必要とします。靭帯損傷後の筋力低下について、実は結論が矛盾しているのが現状です。あくまで筋力低下のみでは靭帯損傷後の症状を判断できないと考えた方が良さそうです。

バランストレーニングのポイントも・・・!

Star excursion balance test(SEBT)は方向によっては靭帯損傷後の機能低下を区別するのに有用である

図4 Star excursion balance test(SEBT)

このSEBTは片脚で立った状態で8方向への反対脚を伸ばした時の距離を測定します。中でも前内側・内側・後内側方向(図で言うと右の列となります)は靭帯損傷後の機能低下を区別するために有効であるとされ、靭帯損傷後の症状を評価できると言われているようです。

バランストレーニングも負荷がかかる方向がポイントと言えそうです。先程のホップテストよりも負荷が小さいため、簡単に評価できるところは利点になるのではないでしょうか。

おわりに

今回は靭帯損傷後の症状を有する人と健常な人と区別するパフォーマンステストを紹介しました。まずは試しにやってみましょう!

残念ながら各テストで何秒(何m)からが悪いかどうかは紹介した論文では議論されていませんでした。左右差や怪我の経験がある人で比べてみると良いかもしれません。意外とできない人やタイムが遅い人が多いかも?

※本当に機能が低下している人がやると、テスト中に捻ってしまい怪我に繋がる危険性があります。安全に配慮してご注意頂きながらテストの実施をお勧めします。

 

執筆者:Ryohei Miura(@RyoheiMiura

 

参考文献
タイトル:Ability of Functional Performance Tests to Identify Individuals With Chronic Ankle Instability: A Systematic Review With Meta-Analysis.
雑誌:Clin J Sport Med. 2017
著者:Rosen AB1, Needle AR2, Ko J3.

 

引用文献

  1. J Athl Train. 2005 Jan-Mar; 40(1): 30–34.Functional-Performance Deficits in Volunteers With Functional Ankle Instability. Carrie L Docherty, Brent L Arnold, Bruce M Gansneder, Shepard Hurwitz, and Joseph Gieck
  2. J Orthop Sports Phys Ther. 2009 Nov;39(11):799-806.The ability of 4 single-limb hopping tests to detect functional performance deficits in individuals with functional ankle instability. Caffrey E1, Docherty CL, Schrader J, Klossner J.
  3. J Athl Train. 2008 Jul-Aug; 43(4): 342–346. Functional Performance Testing in Participants With Functional Ankle Instability and in a Healthy Control Group. Amanda S Buchanan, Carrie L Docherty, PhD,and John Schrader.